Processing math: 100%

Article #474

既に発行済みのブログであっても適宜修正・追加することがあります。
We may make changes and additions to blogs already published.
posted by sakurai on May 6, 2022 #474

「ISO 26262第2版解説書」(日本規格協会)のPMHF式と別の方法ですが、弊社の方法で計算し直します。弊社のやり方はCTMCの原理を用い、時刻tにおけるDPF確率密度を求め、0からTlifetimeまで積分するというものです。

パターン1

  • Pattern 1: SM1⇒IFの順にフォールトが発生し、SM1のフォールトはSM2によって緩和されるが通知されない、または緩和されない。フォールトの暴露時間は、最悪の場合の暴露時間である車両寿命となる。

パターン1は、SM1のフォールトが2nd SM(SM2)で検出されないため、SM1のフォールト全体に対するパターン1の割合は1KSM,DPFとなり、マルコフ図は以下のようになります。時刻パラメータtまでに最初のSMのフォールトが起き、t(t)がVSGとなる2つ目のIFのフォールトが起きた時刻とします。

図%%.1
図474.1 2nd editionパターン1マルコフ図

PMHFの求め方は、IFのフォールトに関するtからt+δtまでのDPF確率密度を求めます。次にサブシステムについて、DPF VSGとなる確率密度を0からTlifetimeまで積分します。

まず、検出されない部分のSM1のLAT2での状態確率は、 Pr{SM1(undet) in LAT2}=Pr{SM1 down at tSM1 fault not detected}=(1KSM,DPF)FSM(t) 次にIFのLAT2での状態確率は、 Pr{IF in LAT2}=Pr{IF up at tIF fault prevented}=Pr{IF up at t}Pr{IF fault prevented}=KIF,DPFRIF(t)

LAT2からDPF1への微小時間間隔δtでの遷移確率は、IFがフォールトによりDPFとなる場合であり、

dPr{IF down in (t,t+δt]|IF up at t}=λIFδt

従って、状態確率(474.2)と遷移確率(474.3)の積をとりIFの(t,t+δt]における確率密度を求めれば、 dPr{IF in LAT2 at tIF down in (t,t+δt]}=dPr{IF up at tIF fault preventedIF down in (t,t+δt]}=Pr{IF up at t}Pr{IF fault prevented}dPr{IF down in (t,t+δt]|IF up at t}=KIF,DPFRIF(t)λIFδt=KIF,DPFfIF(t)δt

IFとSM1にはフォールトの生起について独立であるため、各々の確率はかけることができます。よって、 IFの項(474.4)とSM1の項(474.1)の積をとり、0からTlifetimeまで積分して時間平均をとると、 MPMHF,fsm,P1=1TlifetimeTlifetime0dPr{LAT2 at tIF fault prevented IF down in (t,t+δt]}=1TlifetimeTlifetime0dPr{IF up at tSM1 down at t SM1 fault not detected IF fault preventedIF down in (t,t+δt]}=1TlifetimeTlifetime0Pr{SM1 down in [0,t)SM1 fault not detected}dPr{IF down in [t,t+δt)IF up at tIF fault prevented}=1TlifetimeTlifetime0(1KSM,DPF)FSM(t)KIF,DPFfIF(t)dt12KIF,DPF(1KSM,DPF)λIFλSMTlifetime=12λSM,DPF,latλIF,DPFTlifetime なお、式変形中に弊社積分公式を使用しています。

(474.5)は図474.2に引用する規格第2版式のPattern 1と正確に一致します。

図%%.2
図474.2 規格第2版式

さらに(474.5)は、図474.3に引用する規格初版第1式のパターン1に相当する部分(図の黄色部分)とも(IF⇒mと読み替えることにより)正確に一致します。

図%%.3
図474.3 規格初版式第1式

このようにCTMCを用いて、時刻tにおけるDPF確率密度を0から車両寿命まで積分する方法のほうが、ずっと簡単でわかりやすいです。

なお、本稿はRAMS 2024に投稿予定のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2024年2月頃に開示予定です。


左矢前のブログ 次のブログ右矢

Leave a Comment

Your email address will not be published.

You may use Markdown syntax. If you include an ad such as http://, it will be invalidated by our AI system.

Please enter the numbers as they are shown in the image above.