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Pongと強化学習 (105) |
コードの続きの説明です。
このコードブロックは、Deep Q-Network (DQN) トレーニングプロセスの一部で、計算された損失を基にニューラルネットワークの重みを更新する処理を行っています。これは勾配降下法を用いた学習のステップで、具体的には以下の処理を含みます:
1. 勾配のリセット:
optimizer.zero_grad()
このメソッドは、オプティマイザーに紐づけられたすべてのパラメータの勾配をゼロにリセットします。PyTorchでは、デフォルトで勾配が累積されるため、各トレーニングステップの開始時に明示的にリセットする必要があります。これにより、各バッチのトレーニングが他のバッチの勾配に影響されることなく、独立して行われます。
2. 勾配の計算:
loss.backward()
loss.backward()
は、損失関数の勾配を計算するメソッドです。この関数を呼び出すと、loss
に関連するニューラルネットワークのパラメータに対する損失の勾配が自動的に計算され、それぞれのパラメータの .grad
属性に勾配が保存されます。この勾配はニューラルネットワークの学習において重要な役割を果たし、パラメータを最適な方向に調整するために使用されます。
3. パラメータの更新:
optimizer.step()
optimizer.step()
は、計算された勾配を使用してニューラルネットワークのパラメータを更新するメソッドです。このステップでは、オプティマイザーに設定された学習率に基づいて、各パラメータが調整されます。具体的には、各パラメータからその勾配に学習率を掛けた値が引かれ、新しいパラメータ値が得られます。これにより、モデルは次第に最適なパラメータに収束していくことが期待されます。
役割と重要性
これらのステップはニューラルネットワークの訓練において基本的かつ重要であり、エージェントが適切に学習し、パフォーマンスを向上させるために不可欠です。損失を最小化することによって、ネットワークはより良い予測や決定を行うことができるようになり、結果として全体のタスクパフォーマンスが向上します。このプロセスは、学習の進行と共に反復され、エージェントが環境内で最適な行動をとるように訓練されます。
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