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PMHF式の誤りの論文 (2) |
そして、肝心のPMHFの式部分は以下のとおりです。

(3)では3つの故障率を単純に加えていますが、これは過去記事(下記)で取り上げた論文と同じく誤りです。
- https://fs-micro.com/post/show/id/324.html
- https://fs-micro.com/post/show/id/325.html
- https://fs-micro.com/post/show/id/326.html
(3)式が誤りである理由はPMHFは確率由来だからであり、安全目標違反確率を求めるにはDPF項には故障率の二乗が必要だからです。具体的にはIFのMPF故障率とSMのレイテント故障率の二乗となります。一方(3)式はレイテント故障率を単純にSPF項と加算しています。
それにしてもPMHF式を引用する人たちはなぜ規格Part 10にPMHF式があるにもかかわらず、その公式を用いずに、論文$\dagger$の誤った式を参照するのでしょうか?参考にするなら規格式を参照すれば良いと思うのですが、今までに規格式を引用した論文を、ほぼ見たことがないことが不思議でなりません。
$\dagger$ Y. Chang, L. Huang, H. Liu, C. Yang and C. Chiu, "Assessing automotive functional safety microprocessor with ISO 26262 hardware requirements," Technical Papers of 2014 International Symposium on VLSI Design, Automation and Test, Hsinchu, 2014, pp. 1-4, doi: 10.1109/VLSI-DAT.2014.6834876.
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