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RAMS 2020とRAMS 2022の違い |
さて、RAMS 2022にRAMS 2020で発表したPMHF式を修正した式を投稿し採択されましたが、ここで両方の式をまとめておきます。便宜上RAMS 2022の式はより広い範囲をカバーするため、RAMS 2022の式から先に説明します。
RAMS 2022
RAMS 2022では、後述のRAMS 2020の式を拡張しました。具体的にはISPCE 2017で筆者が導入したKIF,detを再び導入したものです。KIF,detの意味は、1st SMのIFに対する機能であるVSG抑止能力に対する検出能力の比であり、以下のように条件付き確率で表される係数です。
KIF,det=Pr{IF detected | IF prevented}
しかしながらこの条件付き確率はSMのアーキテクチャにより一意に決定され、 KIF,det={0 if subsystem is redundant1 if subsystem is nonredundant のように2値をとります。
このKIF,det及び、KIF,RF, KIF,MPFを加えたIFに関するKパラメータ及び、KSM,MPFのSMに関するKパラメータによりフォールトを分類し、以前示した表368.1を導出しています。
そして、KIF,det=1の場合にMPF detectedをレイテントフォールト扱いとしないとして確率微分方程式を立て、それを解いています。その結果を示せば、 MPMHF,RAMS2022=(1−KIF,RF)λIF+KIF,RFKIF,detα+2KIF,RF(1−KIF,det)β ただし、 {α:=12λIFλSM[(1−KSM,MPF)Tlifetime+KSM,MPFτ],β:=12λIFλSM[(1−KMPF)Tlifetime+KMPFτ],KMPF:=KIF,MPF+KSM,MPF−KIF,MPFKSM,MPF
これにおいて、まずnon redundantの場合であるKIF,det=1とすれば、
MPMHF,NRD=MPMHF,RAMS 2022|KIF,det=1=(1−KIF,RF)λIF+KIF,RFα これは(374.1)と同一です。
他方、redundantの場合である、KIF,det=0かつKIF,RF=1とすれば、 MPMHF,RD=MPMHF,RAMS 2022|KIF,det=0,KIF,RF=1=2β これは(374.2)と同一です。
また、IFRモデルでは、 MPMHF,IFR=MPMHF,RAMS 2022|KIF,det=0=(1−KIF,RF)λIF+2KIF,RFβ これは2020論文(22)、(108.2)及び(222.9)と同一です。
さらにIFUモデルでは、 MPMHF,IFU=MPMHF,RAMS 2022|KIF,det=0,KIF,MPF=0=(1−KIF,RF)λIF+2KIF,RFα これは2020論文(19)、(221.9)と同一です。
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